2002年12月のプチ日記

12月31日(火曜) 深夜

 大みそかでやんすか。年に一度のスペシャルイヴェント(これを言えば「海の日」とかもそうなんだけど)!!

 ところで、年末年始になると更新が途絶えるサイトをよく見かける。年の瀬は忙しいってことなんだろうけれど、なにがどう忙しいのかぼくなどには見当がつかない。会社も学校も休みだし、一年でいちばんヒマだとしか思えないんである。

 休暇になると忙しくなるかヒマになるか。人生の充実度はこんなところに出るんだろうか。

 まァぼくも、ヒマになるといろいろ考えて「頭の中が忙しくなる」ので、けっこう前者なのかもしれません。

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 ヒマなので某匿名掲示板を見てたら、いろんなサイトがけなされていた。

 年末は「掲示板への書き込みに忙しい」ようで。やっぱり年の瀬だなァと感じるひとときですな。

 で、過去ログを読んでいたら、叩かれて閉鎖するサイトも多いようだった。更新するしないについては個人の自由なのでちっとも構わないと思うのだが、気になるのはそれに対する蔑称である。

 「更新拒否児」

 ちょっと待て。これは単に「ホームページを更新してない」という、ものすごく当たり前の状態を指しているのではないか。登校拒否児にかけてるのは分かるが、義務教育とサイト更新とではワケが違う。

 ちなみにぼくのサイト(ここ)も、ちょくちょくけなされてるようです。「つまらない」とか「くだらねえ」とか。

 でも、プチ日記を「つまらない」と評するのは、ハゲに対して「髪の毛薄いよね」と形容するようなものであって、至極当たり前というか、おそろしく常識的というか、まったくもってナンセンスというか、要するに「禁句」なので勘弁してくださいよダンナ。

 ではよいお年を(って、もう今年じゃないか)。You are welcome!!

 

12月30日(月曜) 深夜

 昨日は愛知まで遠出してたので更新できませんでした。

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 正月が近づくと決まって、「餅を喉に詰めて仮死状態になった老人が危機一髪で助けられた」という再現シーンがテレビ放映される。掃除機で吸引したおかげで助かったとか、たまたま救急救命法を知っていたのが幸いしたとか。

 そして小学校の頃、年賀状のきまり文句は「餅の食べすぎに注意」だった。だが今考えると、これって何を言ってたんだろうと思う。餅を食べ過ぎたらどうかなるんだろうか? それは「ただ肥える」だけではないのか。救急救命なんかとは全く関係のない、恐ろしく牧歌的な警鐘。

 あまり関係ないが、知人の祖父は高野豆腐を喉に詰まらせて窒息したそうだ。死因は高野豆腐。お葬式のとき、読み上げる遺族もさぞ大変だったろうなと思います。

 

12月28日(土曜) 深夜

 コンビニや駄菓子屋で最近、玩具菓子をよく見かける。

 おまけが付いてるガムなんかは昔からあったが、近ごろのはチョコにフィギュアがついてたり、ラムネにプラモみたいなのがついてたりする。というか、どう見てもお菓子よりおまけのほうが高価そうなものばかり。

 お菓子マニヤの知人によれば、これは価格対策でもあるらしい。商品を「菓子」ということにして販売すれば、税金だかなんだかよく知らないけれど玩具を安く販売できるので、企業側にとっても都合がいいとかよくないとか。

 不況で消費が低迷する昨今、これからは玩具菓子である。

 いや、こんなことでは大幅な内需拡大はのぞめない。高級乗用車なんかもお菓子のおまけにして販売すべきだろう。

 ディーラーはもちろん「YANASE」ではなく「ふなはし屋」(ウチの近所にある駄菓子屋)である。

 ジャガーのリアウインドウには「ふなはし屋」のステッカー。こういうジャガーなら乗ってもいいかなと思います(eraso-ni)。

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 さて本日、某企業の連載コラムが更新されてます。

 今回のテーマは「いまどきの京ガムテ」。京の街で見かけた創作ガムテープたちを取材してみました。自分でいうのもナンですが、おっそろしくショボいです。地獄のショボさです。こんなショボいコラムはぼくもかつて読んだことがありません。

 それでもよければご覧くださると嬉しいです。あうー。

 

12月27日(金曜) 夜

 地上にいるアリをぼくの部屋(5階)までおびきよせるにはどうしたらいいんだろう?

 …ということばかり考えていた一日でした。仕事中も頭の中はアリのことばかり。大丈夫かオレ?

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 最近、部屋で過ごしているときFMラジオをかけてることが多い。

 どうでもいい感じの音がテキトーになっている、という状態がちょうどいいのだ。聴くでもなし、聴かぬでもなしという感じで流しながら、料理を作ったりテレビを観たりしている毎日。

 おかげで、テレビで殺人事件の中継をしてるときにエンヤの曲がオンエアされて、妙なBGMになってしまったりしているのだが、これもまた楽しい。

 でも中学時代の自分を振り返ると、AMの深夜放送をがぶりつきで聴いていたのを思い出す。つボイノリオ氏がDJをつとめる「ハイヤング京都」という番組が毎週水曜にあり、これが一週間で最大の楽しみだったんである。というか、このAM番組を中心に生活が回っていたといってもいい。

  1. ハイヤング京都のために夕食の時間を設定し、
  2. 番組に間に合うように風呂に入り、
  3. 始まったらひたすら、全身全霊を傾けて聴く

 もちろん他のことなど一切しない。途中でトイレに行きたくなってもCMの時間まで必死で我慢する。CMは短いので大急ぎで排尿し、階段を駆け上ってラジオの前に戻るという、命がけのラジオ鑑賞である。

 おまけにテープ録音し、翌週の水曜日まで毎晩、テープを聴いて過ごしていたのだった。莫迦かオレは。

 いまの時代、ラジオ放送をこんな風に聴いている人っているんだろうか。…とふと思ったフライデーナイトでした。

 

12月26日(木曜) 夜

 四条烏丸の信用金庫で今、拳銃を持った人質犯が立てこもる騒ぎが起こっているらしい。テレビ中継で知った。

 ぼくのアパートから200メートルもない距離である。見ようと思えば数分で行けるのだが、にごり酒を飲んでるところなのでやめておいた。それに外は寒いし。

 「事件の現場を見に行きたい」<「にごり酒を飲んでいたい」+「外の寒さはイヤだ」

 さしもの拳銃を持った人質犯も、ぬくい部屋でのにごり酒にはかなわない。これがパンチラ騒ぎなら見に行くんだが(どんな騒ぎだ)。

 とりあえずぼくの部屋は平和です。

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 薄々お気づきのかたもあろうが、このプチ日記は1ヶ月ごとに過去ログとして別ファイルに移している。

 だがこの作業が恐ろしく面倒で(約1分15秒ほどかかる)、ついサボッてしまうわけです。気がつけば2ヶ月分近くたまっていることもしばしば(今月がまさにそれです)。

 こんなとき、以前は読者のかたからよく注意されたものだった。「今月の日記、ログが多くてなかなか読み込まれません!」とか「我が家のパソコンだとフリーズしちゃいます!」とか。テキストの総量が50KBを超えるあたりから指摘され始める感覚だった。

 で、その度にあわててファイルを整理していたわけですが。

 最近、こういったメールがぱったり来なくなった。ブロードバンド時代の到来を実感するエピソードである。ADSLや光ファイバーが行き渡っている現在、数十キロバイトのテキストなどピュッピュと射精してる間にでも読み込んでしまうのだろう。「イク寸前にアクセスすれば、イッた直後にもう全部読める」、便利な時代になったものだ。

 …というような通信事情も鑑みて、ぼくは日記のファイル整理を遅延させておるわけです。ブロードバンド対応型の新世代日記。とか言ってもテキストだけの日記なんですけどね。

 「ブロードバンド対応型テキスト」をモットーに今後も更新していく所存であります。

 

12月25日(水曜) 夜

 恥ずかしい話だが、先日の忘年会の帰り(深夜12時頃)、警察沙汰を起こしてしまった。

  1. 酔っ払ってすっかり気が大きくなっていた。
  2. そこでふと、前日ベランダから落とした洗濯物のことを思い出した。
  3. 洗濯物は隣にあるライブハウスの敷地に落ちている。
  4. 回収するためには閉店後に侵入して壁を乗り越えなければいけない。
  5. やるなら今だ!
  6. …てなわけで壁をよじ登っていたら、店員に見つかって「なにやってんだオマエ!?」
  7. 警察に通報され、あれよという間にパトカー到着。
  8. 警官に尋問されて「洗濯物を回収しようと思ったんです」「ハァ?」
  9. 証拠確認することなり、警官が我が家のベランダからサーチライトで洗濯物を視認。
  10. めでたく釈放されました。

 ちなみに、落とした洗濯物というのは100円均一ショップで購入したランチョンマットである。

 「深夜に不法侵入して壁をよじ登って〜」と聞くと気が大きくなってる感じがするけれど、回収しようとしてたのは100円のランチョンマット。気が大きくなったのなら、そのくらい潔くあきらめろよと当時の自分に言いたい。

 気が大きくなるにしたがってセコさも強烈になる。これがオレ流です。

 

12月24日(火曜) 夜

 一人でにごり酒を飲んでおります。

 そして街で見かけた看板。だれが入れるか。

 

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 今朝出勤したら、同僚の女性Aさんの左目のまわりが赤黒く腫れていたのでおどろいた。

 どうしたのかと思って訊いてみたら、メバチコができたのでアロエを貼っていたらますます腫れてしまったとのことだった。まるで顔面をなぐられたみたいでかわいそうだ。

 …と思っていた矢先の昼食時、Aさんが「アッ!」と言って口元を押さえた。その直後、前歯が一本ポロッと取れた。ぼくらがびっくりしていると、「以前から差し歯の調子が悪くて」とAさん。ハプニングは続くものである。

 その結果、彼女の顔は、「目のまわりは赤黒く腫れあがり前歯まで抜けている」というものすごい形相になってしまたのだった。どうみても壮絶な暴力を受けたとしか思えない。いま流行のDV(ドメスティックバイオレンス)である。

 ちなみにAさんは一人暮らしで、恋人などもとくにいないとのこと。ってことは一人でDV、さしずめ「セルフDV」か。

 奇しくも今日はクリスマスイブ。セルフDVに走る気持ちも分かる気がする。

 

12月22日(日曜) 夜

 今日も飲み会でした。早く家に帰ったので我ながらえらい。

 帰りの電車の中、向かいに座っていたおじさんの座りかたがどんどん浅くなっていたので驚いた。

 少しでも楽な姿勢を、と思って本能的にずりさがっていったのだろう。でも、途中でしんどい体勢になってしまい(真ん中の写真)、結果的には床にすわってものすごく不自然なことになっている。これだったら普通に座席に腰掛けてるほうがよっぽど楽である。

 それにしても、このおじさんの艶めかしいポーズ。ミニスカートの女性だったらよかったのにとも思うが、ほんとにこんなポーズをとられたら何かの陰謀(国家組織とか)だと思って気持ちが張りつめそうです。

 

12月21日(土曜) 夜

 昨夜は忘年会があったので更新できませんでした。

 それはさておき、現在アパートのオートロックが壊れているので、部外者がどんどん入ってきて困る。今日もいきなりドアをノックされ、出てみたら某Y新聞社の購読勧誘だった。

 新聞の勧誘はしつこいから閉口するのだ。これがインターホン越しだったら通話を切れば済むのだが、いったんドアを開けてしまうとそうはいかない。粘る相手にずっとつき合わさせることになる。

 そこでなんとかうまく断ろうと、ない知恵をふりしぼって対応していたわけです。

相手:「やっぱり新聞はお取りになったほうがいいですよ」
ぼく:「いやー、ホント家計に余裕がないんですよ」
相手:「だから初めの三ヶ月は無料で購読していただけるって言ったでしょ」
ぼく:「ていうか、ウチの実家が新聞とってるんで」
相手:「はァ!?」
ぼく:「えーとほら、実家が近いんで毎日のように帰ってるんで、そこで読んでるんすよ」
相手:「でも購読なさったら毎朝読めるんですよ」
ぼく:「とにかくね、取る気はないんですよ」
相手:「そう一方的に言われましても。私の立場も考えてくださいよ」
ぼく:「実は今、家主がいないんですよ。ぼくはただ留守番してる友人で分からんのですよ」
相手:「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。そんなワケないでしょうが」
ぼく:「ほんとですよ。ほんとに。それじゃあ失礼します。バタンッ!」

 いま考えるともう滅茶苦茶だけどしかたなかったんです。勧誘員さんごめんなさい。

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 さて本日、某企業の連載コラムが更新されてます。

 今回のテーマは「いまどきの京二条城」。将軍家康がちょくちょく泊まりにきたというお城をレポートしてみました。有名人が来るお城。当たり前ですか。

 有名な観光スポットですが、よろしければご覧くださると嬉しいです。カラスもいましたし。

 

12月19日(木曜) 夜

 いよいよ忘年会シーズンですな。

 ちなみに今年ぼくが呼ばれた忘年会は現在、両手で数えられるほどです(=ゼロ回)。でもセルフ忘年会は数十回あるからまぁいいか。

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 一昨日、うちのアパートに新しい住人が引っ越してきた。…と思ったら昨日、アパート入口のオートロック扉が割られるという事件が起きた。

 「引っ越してきた翌日にオートロックが壊された」新居さんの心中はいかがなものだろうか。エラいところを選んでしまったという悔恨の念。そして、この先起こるかもしれない出来事に不安を募らせているに違いない。

 新居さんをさらなる不安に陥れるため、彼の郵便受けに体温計でも入れておこうか。「引っ越してきた翌日にオートロックが壊されたと思ったら、翌々日には郵便受けに体温計が投げ込まれていた」。

 理解できないという恐ろしさ。

 

12月17日(火曜) 深夜

 職場の社員5人が集って打ち合わせをした。

 そのうち一人は若くて美人な女性Mさんだった。いつもセンスいい服をスマートに着こなし、みんなから一目置かれている存在である。「小股が切れ上がっている」という表現が正にぴったり、といえば雰囲気が伝わるだろうか。

 聡明なMさんは発言も冴えていて、(具体的には書けないが)積もっていた問題をズバズバと整理していくのだった。かっこいい。

 …とみんなが彼女の切り口にほれぼれしていたそのとき、Mさんが突然くしゃみをした。直後、彼女の口から「半透明のかたまり」が勢いよく飛び出した。

 気がつけば彼女の鼻からゲル状のものがデローッと垂れ下がり、スーツの袖口にも同じくゲル状のものがべっとり付着していたのだった。うわー。

 そこでなにを思ったかMさん、鼻から垂れたゲルをすばやく右手で拭きとり、その手をスカートの腰部分になすりつけた。当然ながらそこにもナメクジが這ったかのような跡がべっちょり。

 人は気が動転するとなにをしでかすか分からない、ということを実感した一件でした。

 ちなみにMさんはその後、ずっとモナリザのような笑みを浮かべながら固まってました。一言も口をきかずに。

 会社やめたりしないことを願うばかりです。痰のせいで。痰辞職。

 

12月16日(月曜) 夜

 鼻毛カッターを買った甲斐あって鼻毛がなくなったのはいいのだが(昨日の日記参照)。

 おかげで鼻がスースーしてどうも落ち着かない。空気の浄化性能が低下して風邪とかひきやすくなるんじゃかろうか。ああ、ぼくは毎日ウイルスを吸い込み、熱にうなされ、もだえ苦しみながら生き地獄を味わうのだ。もうじき本当に死ぬかもしれない。うわー。

 …てなことを考えてたら不安で気が狂いそうになってきたので、本日急きょ、空気洗浄器を購入しました。

大五郎

 部屋のほこりやウイルス、たばこの煙などを99%も濾過してくれる頼もしいガイである(おまけにマイナスイオンまで出るらしい)。鼻毛不満足者になってしまったぼくも、これで健康ライフを取り戻せるのだ。まったく信用できる相棒だぜ。名前は勇ましく「大五郎」にしよう。

 ああ好きだよ大五郎。クリスマスイブも二人で一緒に過ごそうな!

 それにしても、切った鼻毛がこんなたいそうな洗浄器に取って代わられて自分でもビックリである。ハイテク人工鼻毛。

 

12月15日(日曜) 深夜

 昨日ボーナスが出たので鼻毛カッターを買った。二千円なり。

 さいきん鼻毛の成長スピードがぐんぐん加速して困っていたので(毛髪の成長スピードと反比例してる気がする)、入手できて本当に嬉しい。今月のメーンイベントである。

 …というわけで電器屋の鼻毛カッターを見て回っていたら、若い女性店員が声をかけてきたので恥ずかしかった。「これは刃がアールになってるので立体的にヘアをケアできますよ」だの「ヘアの機能は残したままカットされるんです」だの。

 ヘアって言うな。こっちの身にもなってみろ。鼻ヘアかよ。

 …というわけでさっそく使ってみたところ、ものすごく便利でおどろいた。サバンナがみるみるうちに芝生へと変わっていくのだ。いままでハサミで苦労して手入れして、たまに身まで切っていたのがウソのようである。

 街で見かけるカッコイイお兄さんたちは鼻毛が生えてなくて今まで劣等感を抱いていたのだが、これで鼻毛に関しては対等だ。というか、カッコイイお兄さんたちは既に鼻毛カッターを持っているのだろう。

 カッコイイ人たち=鼻毛カッターを持っている。すなわち、鼻毛カッターを持っている=カッコイイ。

 これにおごることなく、これからも謙虚さを失わずに生きていこうと思います。

 

12月14日(土曜) 夜

 ぼくはアトピー持ちで、たまに悪化してえらい目にあう。かきむしって皮膚がボロボロになって血が出たり。

 原因はだいたい見当がついている。部屋の掃除や衣類の洗濯をサボるとてきめんに悪化するので、どうやらハウスダストがアレルギー源になっているらしい。まったく律儀な身体である。

 …というような話を先日、泊まらせてもらった友人宅で喋ってたわけですが。

 その日の夜、毛布を借りて寝ようとしたら猛烈なかゆさにおそわれた。あまりのかゆさに首筋をかきむしり、またたく間に赤い筋が何本も。うえーっ!

 友人もぼくの異状に気づいて「大丈夫かよ?」と気遣ってくれたのだが、直後、なんともいえない気まずさが漂いはじめた。これってまるで、この部屋がほこりだらけであることを実証しているみたいではないか(いやまァ、実際そうなんだろうけど)。

 あわてて「オレのアトピーってストレスが原因のときも多いんだよ」とフォローしたら、よけいに気まずくなりました。

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 さて昨日、某企業の連載コラムが更新されてます。

 今回のテーマは「いまどきの京ペアルック」。京都の街で見かけたペアルック姿の人たちを集めてみたレポートです。冬場はペアルックが激減するので(コートとかお金がかかるからだろう)、夏場に撮影したものが多く季節感皆無ですが、どうかご了承ください。

 よろしければご覧くださると嬉しいです。

 

12月13日(金曜) 夜

 電車に乗っていたら、今どきっぽい女子高生のグループが乗り込んできた。みんな長い棒みたいなのを小脇に抱えている。

 何かと思ったらラクロスのラケットだった。今どきっぽさの一端はコレだったか。彼女たちも心なしか自分たちの「モダンガール」ぶりを自覚しているような雰囲気だ。

 …が、次の駅で、同じく長い棒みたいなのを抱えたおばさんが乗車してきた。ラクロスのラケットと同じくらいの長さであるが、こちらは伸縮式の物干し竿だった。

 そしておばさんは女子高生たちのそばにちょこんと座った。「長い棒を持っている」という共通点で結ばれるおばさんと女子高生。心なしか照れ臭そうなおばさん。だんだん口数が少なくなる女子高生。

 長いものを持っているときはとにかく注意が必要です。間抜けな本質がいつ顔をのぞかせるか分からないから。

 

12月12日(木曜) 深夜

 最近、職場でコーヒーを飲む回数が増えてきた。でないと居眠りしそうになるんである。

 しかし一日に五杯も飲んでいてはマズいんじゃないだろうか。このままでは胃をこわすんじゃないかと、自分の事ながら心配になってくる。

 そこで最近、「エスタロンモカ錠」という薬(眠気除去剤)を常備して飲んでおるわけです。これだと一日に3〜4錠飲むだけで、一日ずっとシャキッと過ごせる。おまけにコーヒーもあまり飲まずに済む。まさに一石二鳥ではないですか!

 …と大喜びしていたんですが、エスタロンモカ錠の成分表を見てみたら一錠あたり100mgの無水カフェイン。4錠飲めばコーヒー8杯弱のカフェイン量である。わー!

 一日中ビールばかり飲んでしまうアル中が一念発起して、工業用アルコールしか飲まないことにして安心しているようなものか。

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 てなことを書くと、眠気除去剤を飲んでまで仕事に邁進しているサラリーマンみたいですが。

 ほっとくと居眠りしてしまう時点で、きっとそうじゃないんだと自分でも思います。ちょっとホッとする。

 人生、ダラけてなんぼだ。

 

12月11日(水曜) 深夜

 特急電車なんかによく二人掛けの椅子がある。

 思春期の頃は見知らぬ客と二人で座るのが照れくさくて敬遠したものだったが、最近ではおかまいなしに空いてたら座る。歳をとったな、と思う一瞬である。

 ただ、窓側に座ると下車するときにちょっと気を使う。通路側に座っている人の前を通らなければならないからだ。


「ちょっと前を失礼します」「ハイッ!」

 逆に自分が通路側に座っているときも、かなり間抜けな思いを味わうことになる。窓側の客が自分の前を通れるよう、背中を目一杯シートにくっつける結果、「ものすごく姿勢のいい」座りかたになってしまうからである。こんなにピンと背筋を伸ばして座ることなど、これをおいて他にない。座高むっさ高くなるし。

 どんなにグレイトな人たちも、通路側に座ってしまったが最後。窓側の客が通るときは「ものすごくいい姿勢」をとらなくてはいけないのだ。キース・リチャーズもタイガーウッズも菅原文太も、隣の客を通すときはみんな「ものすごくいい姿勢」。ああ恐ろしい。

 芸能人が車で移動しがちなのはこれがイヤだからかもしれませんな。

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 ちなみにキレイな女性が前を通るときは、背中に少し余裕を持たせて、相手のお尻が自分の膝頭に当たりやすくしてしまいます。

 己のセコさが心底情けなくなるひととき。

 

12月10日(火曜) 深夜

 缶ジュース類の空き缶はいつもぺしゃんこにして捨てている。

 これはべつに力を誇示したいとか信仰上の理由とかではなく、このほうが空き缶の体積が小さくなるから。ゴミの増加が問題となっている昨今、少しでもコンパクトにしたほうがゴミ袋の消費量も少なくなっていいだろう。

 それで家でも出先でも、缶入りドリンクを飲み終えるたびに必ずぺしゃんこにしておるわけですが。

 困るのが空き缶専用のゴミ箱である。投入口が「ちょうど空き缶がそのまま通るサイズの円形」になっているので、缶が少しでも変形すると通らなくなってしまうのだ(ようするに横幅が広がってしまう)。よくある話だと思うが非常に難儀する。

 なんとか穴に入るようにと、いったんつぶした缶の復元を試みるのだが、これが想像を絶する困難なんである(実際にやってみれば分かる)。必死で試行錯誤しているうちに、破れた缶が指に刺さって出血することもしばしば。

 ゴミのコンパクト化をと思ってやったことなのに、なんでここまでひどい目に遭わなくちゃならないのか!?

 …てなことを考えて大いに憤慨していたら、ふと気がついた。これってゴミ箱の投入口を通さなくても、フタを持ち上げて直接ゴミ箱本体に入れればよかったのではないか。

 くそー、ますます腹が煮えくり返ってきました。

 

12月9日(月曜) 夜

 酔っ払ったりすると妙に気が大きくなって、自分の若ハゲをネタにしたりもするわけですが。

 最近、相手の反応がぎこちなくなることが多くなってきた。どう返せばいいのか戸惑って固まっているのだ。そんな風にされるとこちらもフォローのしかたが分からなくなり、一緒に固まって「ゲームオーバー」。

 自分で折り合いのついてないことをネタにするのは自分も相手も傷つけるので注意が必要です。

 でも内容はハゲなんだけど。深刻な滑稽さ。くー。

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 結婚式の翌日、東京・巣鴨のせんべい屋で見かけた値札。

 100円均一はよく見かけるが168円均一はないだろう。というか、これは単に「168円」というだけじゃないのか。それとも「いろは」にかけたりしてるのか。

 ところで、もしぼくが商売を始めるなら「100万円均一ショップ」とかやってみたい。中古車とか宝石とか熊の木彫りとかを、すべて100万円で売るんである。

 そういや100円均一ショップで値切ってる人を見かけたことがない。2500円のモノを「2980円均一」で売られたら、もう誰も値切れやしないだろう。

 「均一」にはこういう有無を言わせない圧力がある。だから百万円均一ショップ。

 

12月8日(日曜) 夜

 昨日は知人の結婚式に行ってたので更新できませんでした。

 おめでたい席に呼んでもらえたのはとても嬉しかったのだが、結婚式に行ったことが大人になってから一回しかないので、勝手が分からずいろいろ赤恥をかいた。

 まずはご祝儀。

 いつ誰に渡せばいいのかよく分からなかったので、とりあえず胸ポケットに忍ばせて出席した。が、式はどんどん進むばかり。不安になってきたので、恥をしのんで隣に座っていた人にさりげなく訊ねてみたわけです。

ぼく:「こういうのっていつ渡すとかって決まってるんですかねえ?」
隣人:「え!? それって受付で渡すものだと思うんですけど…」

ぬかった。まさかみんな初めに渡していたとは!!

…とへこんでいたら、さらに追いうちをかけられた。

 「それとあの、紅白の水引っていうんですか、それ上下逆ですよ」

 そうだったのか。聞いてよかった。この遅れを取り戻すためにも、一刻も早く手渡さなくては!!

 というわけで席を立ち、壇上の新郎のもとに駆け寄って渡そうとしたら、相手の顔色が一変した。「い、いまはやめてください!」。周囲にいた親族の人たちもいっせいにクスクスと笑い声。うわー一体なにがどうなってんだ!?

 あとミスったのは食事である。ぼくが呼ばれたのは披露宴だったのだが、結婚式と勘違いしていて、直前に吉野家でしっかり腹ごしらえをして場に臨んだのだ。だが席についてみれば、フカヒレスープだのカニだのと、高級中華料理がどんどん運ばれてくるではないか。

 すごくおいしそうなのに満腹なので口をつけられず、ただ呆然と眺めてばかりのぼく。同じテーブルの人たちからも怪訝な視線を投げかけられる。ああ、もうイヤだ!!

 結婚式への正しい参加のしかたとかって、みんな一体どこで学ぶんだろう。ともあれ、おめでとうございました。

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 さて昨日、某企業の連載コラムが更新されてます。

 今回のテーマは「いまどきの京ボーサイ」。災害などの非常事態を気軽に体験できる、京都の「市民防災センター」というところに足を運んでみたレポートです。強風や地震のシミュレーションなど、いろんな災難に参加してきました。

 よろしければご覧くださると嬉しいです。

 

12月6日(金曜) 深夜

 少しだけ飲みに行ってました。

 そういや学生時代、友達と飲むとよく「しりとり」をした。だが酔っ払うと頭が回らないものだから、つい「ん」で終わる言葉を口にしてしまうのだった。

 「りす」「すいか」とベタに続いたかと、突然「かまどうま」とマニヤックなのが出てくるのも酔っ払いの特徴である。が、それに続くぼくの「マンション」は最悪である。ベタなくせに「ん」終わり。

 ただ、酔っ払うと大胆になり、妙な言い訳だけは出てくるのだった。

 「マンションっていうのはねェ、正確にはマンションヌって発音だろ。だからマンションヌ。はい次、ぬ!」

 そして何事もなかったかのように、しりとりは続けられたのだった。

 ちなみに「みかん」は「みかんジュース」に訂正され、しりとりは滞りなく続行された。

 ぼくの青春はいま思えば、しりとりに明け暮れていたように思う。

 

12月5日(木曜) 深夜

 発泡酒とタバコが同時に増税されるかも、ですか!?

 これからちゃんと選挙に参加しようと固く決意。

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 会社帰りの駅ホームで電車を待っていたら、近くにいたカップルが口論しはじめた。

男:「そういうのってちょっとマイペースすぎんじゃないの?」
女:「私のこと、そうやっていつもマイペースって言うけどさァ」
男:「だってそうだよ。マイペースだよ!」
女:「いつもマイペースってわけじゃないじゃん! ○○クンに合わせてるときだってあるよ!」
男:「…いやまァ、そうかもしんないけどさ。でも今日はほら、ちょっとマイペースかなって…」

 ちょっと待ちんしゃい。「マイペースなときもあるけどマイペースじゃないときもある」っていう気まぐれが、そもそもマイペースじゃないんでしょうか。うまく丸め込まれてる男のお人よし加減というか、莫迦さ加減というか。

 でも正直言うと、ぼくもこんなふうに丸めこまれたりしたい。うらやましい。腹が立つのでけなさせていただく!

 …って、けなすのになんで謙譲語つかってんだオレ! ああもうイヤだ!

 

12月4日(水曜) 夜

 電車の吊り広告に「パンスト」という文字が見えたのでハッ!

 …として改めてよく見てみたら、「○×バプテスト医院」と書かれていた。なぁんだバプテストか。こんな読み違いばかりしている自分が情けなくて涙が出てきそうですよ。

 それにしても「パンスト医院」はないだろう。だったらバプテスト教会は「パンスト教会」か。こんな教会があったら毎週行きたい。

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 携帯電話を持っている友人がいるので、携帯についていろいろ話を聞いた。我ながらハイテク機器への関心が強い。

 添付画像を受信できるだとか、スケジュール帳代わりに使えるとか、いろんなことを知って興奮していたのだが、なかでも驚いたのは、相手によって着メロ(着信メロディー)を違う曲に設定できるという機能。携帯電話もいよいよ宇宙人レベルに達したか。

 さらに友人によれば、ぼくの電話番号も着メロ設定してくれてるとのこと。何の曲か訊いてみたら「佐渡おけさ」とのことだった。ぼくが彼に電話するたび、佐渡おけさの音色が鳴っているのだ。他の人はロックバンドの音楽とかなのに。

 くやしいので、これからもたまに電話して恥をかかせてやろうと思います。

 …って、まるでおじいさんが書いてる日記みたいですな。小生28歳、ヤングの心はまだまだ失っておりませんぞ!!

 

12月3日(火曜) 夜

 ボジョレヌーボーじゃないワインを飲んでおります。

 そういやずいぶん前のことだが、知人の家で飲み会をすることになった。

 で、別の場所にみんなで待ち合わせしたのだが、ぼくは集合時間を勘違いしていて1時間近くも遅刻してしまった。現場に行ってみたら全員明らかにイライラ模様(当たり前である)。うわー。「ごめんなさい、ごめんなさい!」とひたすら連呼。

 すると友人Sが「ったく遅せえよー!」とぼくの体をどついてきた。その瞬間、ぼくのカバンが肩から落ち、中に忍ばせていたワインが粉々に砕け散ってしまったのだった。急に顔色を変えて「わ、悪かった!」と謝罪しはじめるS。ふふふ、完全に立場逆転である。

 今後はなにかマズいことになったらこの手を使うことにしよう。たとえば仕事に遅刻したときなどもワインを携えていき、上司に怒鳴られたら「ハッ!」と驚いたフリをしてワインの瓶を落とすのだ。恐縮してあやまる上司、それを温かく見守るぼく。

 まるで「通行人にぶつかって、割れたワイン代を恐喝する海外のチンピラ」みたいな話だけど、彼らとはセコさの次元が違う。セコさに関してはスケールがデカいと自負しております。チンピラもびっくり。

 

12月2日(月曜) 夜

 さっきウンコしたら、ものすごいヒリヒリ感にびっくりしました。

 昨夜大量に食べた「一人キムチ鍋」のせいだろう。おかげで今もアナルに種火がともっているような感じなのだが、これがなかなか気持ちいい。また妙な嗜癖がついてしまいそうで自分が恐いです。

 でもこのぶんだと、ウンコもさぞかしピリ辛味なんだろうなァ。名実ともにカレーである。

 …オエッ。余計なこと考えるんじゃなかった。というかすみません。

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 ビデオで『少林サッカー』を観た。最高ですな。

 ところでビデオで映画を観るとき、吹き替えよりも字幕のほうが好きだ。

 …てなことを周囲に言うと「なに気取ってるんだよ」だの「英語聞いてることをアピールしたいのかよ」だの、さんざんな言われようをするのだが、それは違うと声を大にしたい。理由はちゃんと別にある。

 ぼくはポテトチップやせんべいの類を食べながらビデオを観ることが多い。ただ、これらを頬張っていると噛み砕く音が自分の中で響きわたってセリフが全然聞こえないんである。いくら切ないラブシーンであっても、頭の中ではバリバリバリッ!! ボリボリボリッ!!

 これがイヤで、大事なシーンのときはポテトチップを口の中で溶かすようにして喰っているのだが、こんなセコい食べ方をしてもちっともおいしくない。しまいにストレスがたまって、映画鑑賞どころではなくなってしまう。

 だから映画は字幕に限るのだ。いくらバリバリ咀嚼しても大丈夫だから。BGMはいつもバリバリバリッ!!

 

12月1日(日曜) 深夜

 学生時代バイトしていた飲食店にT君というのがいた。

 2歳年上だけど同じ学年の大学生で、ぼくは彼とタメ口で喋っていた。学年が同じだったら敬語は使わない、という暗黙の学生ルールがあったのだ。

 いっぽう、ぼくより1歳年上の正社員Yさん(男性)はT君に対して敬語を使っていた。YさんにとってT君は年上であり、バイト社員であっても敬語でしゃべるのが当然だったのだろう。

 そしてぼくは、Yさんに対しては敬語だった。正社員のうえに年上だから当たり前である。

 結果、この3人が同じ時間帯に入っていると会話の上下関係がおかしなことになってくるのだった。Yさんにとって、T君は目上でぼくは目下なのに、ぼくはT君とタメ口で喋っているのだから。

 この微妙さが苦痛で、ぼくは次第にT君との喋りかたが分からなくなってきた。敬語を使うと学生ルール違反になるし、タメ口で喋るとYさんの顔を汚してしまう。一体どうすりゃいいんだ!?

 そこで編み出した方略は、「T君との会話は独り言風味を強くする」というものだった。もちろん「T君」とは言わない。君付けで呼ぶとタメになってしまうから人称代名詞は使えないのだ(日本語の便利なところである)。

 たとえばT君にボロネーズスパゲティを作ってほしいときは、近くに行って、目を見つめながらボソッとつぶやくのだった。

 「ボロネーズスパゲティの注文、かァ…」

 またT君の休憩時間になったら、またもや近くに行って、目を見つめがらつぶやくのだった。

 「そろそろ休憩、かなァ…」

 敬語でもタメ口でもない新しい会話、それが独り言だった。

 こういう話しかたを心がけているうちに、T君はぼくに喋りかけてこなくなった。思わぬ形で作戦が功を奏した一例として、いまでもときどき思い出すエピソードです。

 


   2002年11月のプチ日記 

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