2011年5月のプチ日記

5月31日(火曜) 深夜

 本日の「死霊のゾンビ」。

 近所に植わってる桜の木の幹ですが。

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 意外なところで役立った雑学、の思い出。

 十年ほど前、知人の結婚式で写真撮影係を頼まれたことがある。

 意気込んで一眼レフを持参したまではよかったのだけれど、式場の照明が思っていたよりも暗かったため、カメラを手持ちで撮影すると手ブレしてしまうというピンチな事態に陥ってしまったのだった。当時のカメラには手ブレ防止機能など付いておらず、かといって付属のしょぼいフラッシュを使うとせっかくの雰囲気が台無しになってしまう。

 本来ならこういうときのために三脚を持参するものなのだが、張り切りすぎてそんなことはすっかり失念していたという体たらくで。

 そこで咄嗟に思い浮かんだのが、折り畳み傘があればカメラ用の一脚の代わりになるという豆雑学。三脚と折り畳み傘はネジの規格が同じなので、傘の先端部分を外すと、そのままカメラを取り付けることができるのでした。

 さっそく試してみたところ、これがすこぶる使いやすい!おまけに柄の長さが調整できるから正にあつらえ向き!!

 …というわけで無事、写真を撮ることができたわけですが。

 「折り畳み傘の付いたカメラを持った男が、結婚式場をウロウロしながら写真を撮りまくっている」

 こんな光景が会場の皆さんにどう映っていたのかは分かりません。
 

5月30日(月曜) 深夜

 週末はだいたい映画観てるか包丁研いでるか。

 今週末の備忘録: 【映画】『マイ・バック・ページ』 【DVD】『松ヶ根乱射事件』『レザボア・ドッグス』『RAILWAYS』 【包丁】薄刃包丁、牛刀

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 そういや、ステンレスの包丁のことを「ステンの包丁」と略して言ってる人を時折見かけますが。

 ステンレス(stainless)=stain(錆びる)+less(〜のない)で、「錆びない鋼」という意味を持っている。したがって、「ステンの包丁」と言ってしまえばこれ、錆びる包丁のことで、、本来とはまったく逆の意味になってしまう。錆びる包丁なら、それは普通の鋼(はがね)の包丁である。

 略すなら「ステの包丁」とか「レスの包丁」とかになるんだろうけれど、こんな言いかた聞いたことありませんですね。

 

5月27日(金曜) 深夜

 「七転び八起き」という言葉がありますが。

 考えてみたらこれ、7回転んで8回起きてるからよく分かりませんですな。どこかで1回転んだときに2回起きてるんでしょうか。

 七転八倒という言葉もあって、これなどは1回転んだときに2回倒れてる計算になるからますます分かりません。

 個人的には、七転び三起きくらいがちょうどいいなァと思います。

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 そして本日のキムチ。

 原材料を見てみたら、キムチというより化調漬けっぽい感じだったので食指が伸びなかったんですが、川越シェフはほんとにイチオシしてるんでしょうかねえ。イタリアンの調理人がキムチをイチオシするというのも妙な感じだし。それとも売れっ子になると、いろんなところから名前を使わせてほしいとオファーがくるんでしょうか。

 この調子でいけば、川越シェフはいろんな商品をイチオシしてくれそうですな。

 個人的には、川越達也イチオシの便所マットなら使ってみたい。叩き売りされている割にはそこそこの品質出してそうだし(=renomaセオリー)。

 

5月26日(木曜) 深夜

 包丁を研ぐのが近頃のもっぱらの趣味なんですが。

 とある刃物屋で鏡面仕上げの包丁(刃全体が鏡のようにピカピカに仕上げてある)を目にして以来、自分の包丁もこんな風にピカピカにしてみたいなァという気持ちを抑えられなくなってきて。

 そんなわけでネットで調べてみたところ、プロに頼むと何万円もかかるものの、耐水サンドペーパーを使って地道に磨けば素人にもできるとのこと。これは早速やってみなくては! と思い立ち、根気よく包丁磨きに励んでみたので、今回はその様子でも。

包丁全体を水で濡らしながら耐水サンドペーパーで磨いていきます。最初は#200くらいの粗いペーパーで表面のキズを取り、次は#600くらいの中くらいのペーパーで全体をならし、最後は#1000と#2000の細目を使ってピカピカに磨き上げます。
 
試行錯誤の末、数時間かけてこれくらいの状態にまで磨きました。鏡面と言うにはちょっと甘いですが、輝きがなんだかプロっぽくてかっこいい! 上から構えているデジカメが映っているのがお分かりでしょうか。
 
サンドペーパーで刃先を丸めてしまったように感じたので、磨き上げた包丁を砥石で研いだら、鏡面が元のぼんやりした状態に戻ってしまいました。…最初から何もしなかったのとほとんど同じだ!!
 
おまけに、サンドペーパーのカスが爪の先に入って、不潔な見た目になりますし。こんな風になったら、お風呂に入って髪を洗うしかありません。
 

 結論: 包丁を鏡面に仕上げる→刃先の傷みが気になる→砥石で研いで刃を付け直す→包丁のキズが気になる→包丁を鏡面に仕上げる→刃先の傷みが気になる……。これをずっと繰り返していたら、包丁を磨くだけで一生が終わるので、意外といいかもしれません。

  ※鏡面仕上げは基本的に、柳刃包丁など和包丁の平らな部分に施すほうがいいようです。今回のように洋包丁に施すと、こんなことになってしまいます。

 

5月23日(月曜) 深夜

 大阪の街をほっつき歩いてきました。

◆千日前にある道具屋筋(業務用の調理用品ばかり扱っている)を冷やかし半分に。関係ないですが、写真左下にある「たばこ」&「白衣」という品揃えの店もよく分かりません。
 
◆ネギを大量に小口切りしてくれる頼もしいマシン「手動ネギ丸120」。48,800円しますが、これが家庭にあったらみんなビックリするというより、引くでしょうねえ。
 
◆店内には大きな寸胴鍋なんかが大量に展示されていて、思わず「欲しい!」と思ってしまうも、我が家にはこんなもん置くスペースなどないのでしょんぼり。
 
◆そのあとは天王寺公園に足を運びました。駆逐されたホームレスの方々にかわって、こんな気持ち悪いシマウマさんがたたずんでおられました。ところで後ろにあるのは大阪城!?
 
◆…と思って近づいてみたらラブホテルでした。天守閣の中では、いろんな体位でいろんなことが行われているんでありましょうな。
 
◆今度はまた気持ち悪い動物たちが。悪い夢に出てきそうな風体です。
 
◆スカラベ(ふんころがし)が転がしているのは花でした。花をフンに見立てるセンスに脱帽!
 
◆そのまま大阪市立美術館で歌川国芳展を見てきました
 
 
◆国芳さんの浮世絵は素晴らしい! こんなのを版画つかって浮世絵にしてしまうウイット。
 

 

 帰りは新世界で飲んだくれて、いよいよもうダメかと思いました。

 

5月20日(金曜) 深夜

 マンションの名前って、「ロイヤルコート」だとか「グランドメゾン」だとか大仰なものが多い。

 自分の住居にこんなエラソウな名称がつけられていて恥ずかしくないんだろうか。しょせんは集合住宅なのに、ロイヤルだとかグランドだとかいわれても、なんだか白けてしまうような気がしてならない。

 それに日本人たるもの、謙遜の美徳を重んじる文化のなかで育ってきたはずである。「つまらぬものではありますが……」と申し上げつつ「粗品」を差し出す。これで粗品に「立派な一品」などと書いてあったら、それこそ大恥をかくこと必至だろう。

 今後の新築分譲マンションには、このあたりの感覚をぜひとも斟酌していただきたいものだと思う。たとえばこんなのでどうか。

 こういう名称のマンションなら年賀状の住所欄なんかにも気後れせず書けそうな気がするんですが、どうですかねえ。

 

5月17日(火曜) 深夜

 先日実家に帰った折に、自分の部屋を整理していたら、こんなモノが出てきました。

 高校時代に作った「現代アート」。あまりにも自分が不憫なので、ここにも載せてみます。

◆正面から見ると、黄色やオレンジの明るい色の、顔なんだかロボットなんだかという風な。
 
◆背面を見ると、黒っぽい色になっているうえ、なんかゴチャゴチャ機械っぽくなってます。

 ええっとコレ、「外面は取り繕っていても内面は薄汚れている人類」をあらわしているんですねえ。うわーっ、赤面! さらに一部分が機械っぽくなっているのは、「自ら生み出した文明・科学に侵食される人類」をあらわしているんですねえ。ああーっ、恥ずかしくて憤死しそう!! 

 ちなみに、これを見たぼくの父は、「…なんやこれ? 光るんか?」と言ってました。恥ずかしいので、「光らへん」とだけ答えておきましたけれど。

 というわけで、本日の光らないモノでした。

 

5月16日(月曜) 夜

 京都・白木屋の八角箸を購入。

 お値段は1500円くらいで、スーパーとかに売ってあるやつに比べると2倍くらいするのだけれど、箸の先端が細いうえ、互いの先端を合わせたときにピシッと合うように作られているから、ゴマ粒でもかんたんにつまめてしまうという使いやすさ。

  写真の左側がふつうの箸、右側が今回買った八角箸。先端が細いから煮物なども箸で切りやすいし、合わせたときに力が集中するから、うどんなんかも滑らないという特典つきです。

 箸なんて一度買ったら2〜3年はゆうに持つモノだし、千円少々の奮発で毎日の食事が快適になるなら、すこぶる安い投資だと言えましょう。

 チヂミを作って食べました。

 具は冷蔵庫にあまっていたニラとネギ、シーチキン。それに小麦粉と上新粉、卵、貝柱スープの素を水で溶いてタネにしました。

 チヂミは食べやすいので、八角箸で食べようと割箸で食べようとちっとも変わりません。

 

5月13日(金曜) 深夜

 とうとう買ってしまいました、業務用のキッチンクロス(ダスター)。

 学生時代、レストランの厨房でバイトしていたときに使っていた心地が忘れられず、以前から欲しいなァと思いつつそのままになっていたのだけれど、業務用の調理用品ばかり売っている大型店舗に足を運んでみたらドーンと置いてあったので、迷いながらも買ってしまったという次第。

 業務用だけあって、そこらのキッチンクロスよりも丈夫でとても使い良いんである。ただ、業務用だけあって量もハンパなく多く、最小単位が100枚入りで1300円。念願の品が手に入って嬉しい反面、その量の多さにいささかうろたえております。

 だいたい1枚で1〜2ヶ月はもつから、仮に2ヶ月もつとして100枚だと200ヶ月、およそ16年半分あることになる。これだけのダスターをまとめ買いするなど、まさに阿呆のやることである。

 それに、こうやって一枚使うごとに減っていくのを見ていると、このダスターを使い終わるときが自分の寿命の終わりを意味しているような気がしてきて。まるでオー・ヘンリーの短編『最後の一葉』みたいな話である。我ながら縁起でもないけれど。

 オー・ヘンリーの短編の主人公は、枯れかけた蔦の葉が落ちていくのを自らの命になぞらえていたが、ぼくの場合は減っていくダスターに寿命をなぞらえているわけで、小説のタイトルとしては「最後のダスター」といったところか。

 果たしてぼくには、最後の一枚となったダスターの「絵」を描いてくれる人はいるんだろうか。(※注)

※注:『最後の一葉』の中で主人公は、暴風雨の夜、次々と葉が散っていくのを見て自らの命の終わりを予感します。しかし翌朝、一枚だけ散らずに残っている葉を見て、生きる気力を再び取り戻す主人公。ただ、その一枚の葉は実は、主人公のために知り合いの画家が命がけで描いた「葉の絵」だったというお話なのでした。

 

5月11日(水曜) 深夜

 病気の話題について軽々しく書くのは、当の病気で本当に苦しんでいる方々のことを思うと正直気がひけるところもあるんですが。

 橋本病を患っているAさんという女性がいる。とても聡明な女性なのだが、彼女いわく「病名がダサいから言うのが恥ずかしくて困る」。

 なるほど、確かにそうかもしれないと思った。

 難治性の雰囲気を漂わせるカタカナ病気には、ある種悲劇のヒロイン的なイメージがつきまとうものである。ギラン・バレー症候群にしてもクローン病にしてもバージャー病にしても、外野の身勝手な印象としてはなんとなく、「儚く脆いガラスのような云々〜」といったメタファーを投影しがちであるような気がする。

 足がよろめいて倒れそうになた女性が咄嗟に、「実はギラン・バレー症候群なの…」。こんなことを言われた日には、それこそ一瞬にして宝石か腫れものでも扱うような事態になってしまいそうである。しかし、同じ状況で「実は橋本病なの…」と言われたらどうだろう。果たして同じように悲劇な展開になるかどうか。

 ためしに医学辞典で調べてみたところ、いやー、いろんな名前の病気があるもんですねえ。当たり前かもしれませんが。

 もし自分が罹患するなら、せめて病名だけでも横文字でかっこよさげな病気がいいなァと思ったり。クリューバー・ビューシー症候群とか、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット障害とか。

 

5月10日(火曜) 深夜

 今回は島根の旅の最終日、出雲編です。

◆一畑電車に乗って出雲市駅まで。ずいぶんボロい車両だなァと思っていたら、映画『RAILWAYS』のモデルになった電車らしいです。ふーん。
 
◆出雲大社前にてパチリ。有名な神社なのは百も承知ですが、恥ずかしながら詳細については全然知りません。たしか古くからいる偉い神様がいるんでしたっけ?
◆出雲大社の本殿は改築工事中で、このような工場みたいなプレハブで覆われてました。滅多に見られない光景だけに、我ながらツキまくってます!!
 
◆本殿が改築工事中なので、その間しばらく、神様はここ「御仮殿」にて仮設住宅生活を送っておられるらしい。文句のひとつも言わず仮設暮らしを受け入れる出雲の神様、いいお方じゃあないですか。
 
◆神様が住んでらっしゃる本殿には本来誰も入れないんですが、現在神様は仮設住宅に引っ越しておられて、本殿はもぬけの殻だというので、特別拝観が許されたのでした。
 
◆本殿は撮影厳禁で一枚も撮れませんでしたが、おみやげにこんなものをくれました。改築工事で取り替える檜皮葺の屋根の一部分が包んであり、お守りになるんだそうで。
◆お守りと聞けば、開けて見てみたい誘惑に抗えないのが悲しい性です。また捨てにくいモノが増えてしまいました。
 
◆年貢って、今でもあるんですねえ。みんな、米やらタワシやらを持参するんでしょうか。
 
◆出雲大社の境内で見かけた金色の玉。きっと無数の人たちがブログとかで書いてるだろうけど、これを金玉と言わずしてなんと申しましょうか。
 
◆出雲大社を退散したのち、島根ワイナリーにて昼食。もやしを食べました。
◆島根ワイナリーの試飲コーナーは、手酌で汲んで自由に飲み歩けるという、まるで天国かと見紛うような桃源郷でした。ワイン1本分はゆうに「試飲」して、すっかりフヒャフニャに。
 
◆帰りは駅で出雲そばを買って、地酒のワンカップも忍ばせて特急列車に。これだけでテンション上がってきますねえ。
 
◆列車で酔っ払ってつい車窓から撮ってしまったFUZEI写真。わー、恥ずかしい!!
 

 

 

5月9日(月曜) 深夜

今回は安来市のレポート後半です。

◆和包丁に使う高級鋼のほとんどが、ここ日立金属安来工場で作られてます。「白紙」という種類の鋼が有名ですが、さらに高級な「青紙」という鋼もあります。ぼくは白紙の包丁しか持ってませんが、それでもビックリするくらいよく切れます。
 
◆当然のことながら工場内には立ち入らせてもらえなかったので、往生際悪く工場のまわりをブラブラほっつき歩いてました。日立金属の工場は外壁がツタで覆われていて壮観です。
◆工場付近には無造作にこんなものが置かれてました。高級特殊鋼! ひょ、ひょっとして、中には「白紙」やら「青紙」やらの鋼がギッシリとか!?
 
◆…とワクワクしながら覗きこんで見てみたのがコレ。銀色のパイプみたいなのが高級特殊鋼なんですかねえ。そんなわけないですよねえ。ダメ元ながら心底ガッカリです。
 
◆工場見学が叶わなかったので、やむなく地元のスーパー見学に変更。安来ショッパーズ、素敵なネーミングです。
 
◆ご当地商品としては、こんなモノが。あご(とびうお)ミンチ。少なくとも京都では見かけたことがありません。つくねみたいにして鍋に入れたりするんでしょうか。
◆さて、いよいよ近づいてきました。安来市の後半メーンイヴェント、手作り「安来城」です。物好きなおじさんが自宅をお城にして作ってしまったんだとか。それも全て自分の手で作成したというからすごい!!(JR安来駅から徒歩10分ほどの閑静な住宅街の一画にあります)
 
◆そう、確かにすごいんですが…。近づいてくるにつれて、こぢんまりとした可愛らしさとともに、本物のお城にはない食玩のような独特のキッチュさがにじみ出てきます。いやー素晴らしい。
◆近隣に住んでいる人たちの心中を思うと微妙で複雑なところもありそうですが、こんなものを一人で手作りしてしまう「よく分からないエネルギー」には、ただひたすら感服です。
 
◆でも石垣はさすがに作れなかったのか、コンクリートにお茶碗を埋め込んで「見立て」にしてありました。こんなお城見たことありません。そしてこのあたりが、パラダイス系の雰囲気を漂わせる所以でしょうか。
◆お城のすぐ横に五重塔を建ててしまう風情感覚もたまりません。それにしてもこの五重塔、地震のときとか大丈夫なんですかねえ。
 
◆「安来城」にお腹いっぱいになりつつ、帰途についた矢先の一枚。月極め駐車場ですが、右端の「1番」の区画が細長すぎです。こんな細長いクルマあらしまへん。
 
◆夕食は安来名物「どじょう」の唐揚げ。まァ、美味しいといえば美味しいんですが、背骨が太いので食感的にあまり好きになれませんでした。この後に注文したウツボのてんぷらのほうが美味しかったなあ。
 

 

 

5月6日(金曜) 深夜

 GWは島根県を旅してきました。

 今回は安来市に行ってきたときのレポートでも。

◆新幹線て京都を出発。切符はもちろん手書きです。車内検札にきた新人っぽい車掌さん、この切符を手にするとそのまましばらく固まってしまい、けっきょく 同伴していた上司の判断を仰ぐ事態になりました。
 
◆新幹線の醍醐味といえば、列車が動きはじめてから食べる弁当です。今回は旅行なので超豪華盛り合わせ弁当。これだけゴージャスな品がてんこ盛りで、お値段3,900円! もちろんウソです!! 390円です!!
◆岡山駅で新幹線を降りて特急やくも号に乗り継ぎ。JRの特急といえば、やはりこのデザインでしょう。ちなみにこのやくも号、急カーブの多い山間地帯を高速で走りぬけるために「振り子構造」になっているので、ものすごく横揺れします。
 
◆やくも号の車内。一人用の座席がなぜかひとつだけあったので、どうしてなのか車掌に訊いてみたところ、「当初の設計よりも座席と座席の間隔を広げるための改造を行ったら、ここの部分だけ支柱が邪魔して、座席をひとつしか置けなくなったんです」とのことでした。笑。
◆安来駅に到着して、やすぎ刃物まつりに直行。さいきん包丁にちょっと凝っているので、向学のため参加しようと思い立った次第でして。
 
◆お目当てはここ、「刃物鍛造体験」と「包丁研ぎ」コーナー。それにしても、看板の文字の大きさでは完全に「トイレ」に負けてます。トイレがメーンイベントみたい。
◆まずは刃物鍛造体験から。鉄の地金を一本受け取って、それを好きな形に鍛造していきます。これで講師付きで参加費千円は安い。
 
◆鍛造するためには鉄を十分に熱しなければなりません。…というわけで、こうやって炭火にくべて1000℃くらいに熱していきます。
◆一人前になるまで10年かかるというこの世界。それを30分くらいでやろうと言うのですから、そもそも無理がありすぎです。鍛造については、ぼくは決められた一点を打ちつづけ、先生が地金を動かすことで何とか刃物の形にしていくわけですが、先生が地金を動かすと、ついつられて打点が動いてしまい、「ワシの地金についてきたらアカン!」と何度も注意されました。
 
◆こんなに大変なら、打たずにそのままグラインダーで成形したらいいようなもんですが、「そんなことしたら刃物として使いモンにならん!」らしく。熱した鉄を何度も何度も打つことで、鉄分子と炭素分子が細かく混ざり合い、強度としなやかさを備え持つ鋼になるんだそうです。で、なんとか打ち終わったのがコレ(8割くらい先生にやってもらってます…)。
◆打ち終わった地金をグラインダーにかけて、さらに形を整えていきます。この作業は、ちょっとでも手元が狂うと指を落としてしまうというので、一切やらせてもらえませんでした。
 
◆形を整えた地金を再び熱して、焼きなましを行います。詳しいことはよく分かりませんが、切れ味と強さ、しなやかさ(欠けにくさ)を兼ね備えるためには、いろいろタイヘンなのでした。
◆砥石で刃をつけて完成! 研ぎの作業はほとんど自分でさせてもらえました。お世辞にも切れるとは言えない代物ながら、鉛筆を削るくらいなら使えそうです。
 
◆包丁研ぎコーナー。500円で包丁を研いでくれるというので、持参した包丁を研いでもらったんですが、あまりにも粗雑な仕上げにブチ切れてしまい(出す前よりも刃が悪くなって返ってきた)。一応、目の前で研ぎなおしてはくれたんですが、それでも全然ダメで、とうとう「だったらプロの包丁屋に研いでもらったらよろしい!」と逆ギレされて 。それまで楽しかったのに、突然すこぶる後味悪く会場をあとにしたのでした。…あんたらプロじゃないのに、こんな真似してるのか。
 
◆おまけその1:安来の割子そば。出雲そばと同じ系統の風味のようで、もっちりしながらもボソボソ粉っぽいという多少独特な食感でした。それなりに美味しいけれど、個人的には信州とかのコシのあるそばのほうが好きですかねえ。 ◆おまけその2:安来の下水マンホール。どじょうすくいのレリーフが刻まれていて可愛らしい。「おすい」ですが。

 

5月2日(月曜) 深夜 

 職場の後輩I君が新婚したので、みんなで新居に呼んでもらいました。

こういうときは、ここぞとばかりに自作の料理を持って行って嫌がられます。今回持参したのは、鶏肉のコンフィ、豚肉のコンフィ、豚肉の麹漬け、生野菜サラダ、人参のマリネの5種類。 いっぺんに出すと一見豪勢に見えるけれどすぐに食傷されそうなので、みんなの腹具合が空いてきた頃を見計らって出すというセコさ。
 
数時間後にはこんな状態になってしまいました。もはや新婚祝いでもなく新居祝いでもなく、ひたすらグダグダになってるように思われていたかもしれませんが、ぼくの場合、お祝いする気持ちの度合いとグダグダ度合いとは正比例するので、これは最高潮のお祝いです。
 
帰りの道すがら、つい撮ってしまったFUZEI写真。 色調が渋かったので思わず撮ったんですが、素面で見るとなにがそんなに感動したのか自分でもよく分かりません。
 

 


2011年4月のプチ日記

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